白内障手術の日帰りと入院の違い
白内障手術には、日帰り手術と入院手術がありますが、その違いがわからない方も多いでしょう。
それでは、日帰り、入院になるのはどのような場合か、それぞれに向いているのはどんな人か、などについて紹介します。
「手術が日帰りでできるなら、入院の準備などのさまざまな面で手間がかからないから、できれば日帰りが良い」という方も多いでしょう。
その一方で、「日帰りだと、手術後に毎日通院する必要も出てくるから、入院していた方が楽」と考える方もいると思います。
日帰り手術のメリットは、入院によって、仕事や家庭などの生活環境を変える必要がないことと、入院費用がかからない分、全体的な治療費を抑えられることです。
このようにメリットの多い日帰り手術ですが、全ての人が対象というわけではありません。
例えば、心臓病や糖尿病など重い病気を患っている方は、白内障の手術前や手術後に、内科的な治療も必要になるので、総合病院に入院して、眼科と内科のどちらの治療を受けることになります。
また、認知症が進んでいる場合も、全身麻酔をして手術を行うことになりますし、術後のケアや管理が患者さん1人では難しいので、入院手術を行った方が安全の場合もあります。
白内障以外の病気を患っていない場合でも、手術を行わない方の眼の視力が極端に悪い方や、片眼が見えない状態の方などは、手術後に帰宅したり日常生活を送ったりするのは困難で危険なので、入院した方が良いと判断されることもあります。
さらに、自宅から手術を受ける施設まで距離がある場合も、術後の通院が困難になるので、症状が改善するまで入院していた方が良い状況もあります。
手術の方法や使用される機械の進歩によって、より安全で患者さんへの負担をかけずにできるようになったので、白内障だけでなく、緑内障手術や硝子体手術なども、日帰り手術が行えるようになってきました。
ただし、症例によっては、手術後の管理を厳格に行う必要のある場合は、入院して手術を受けることになります。
例えば、網膜剥離でも、網膜に裂け目ができる「裂孔」が上方の位置だと、手術後に体位を制限されることはほとんどありませんが、裂孔が下方にある場合や古い網膜剥離の場合などは、網膜を元の状態に戻すために、うつむきの体位を維持しないといけないのです。
このような症例の場合、生活が困難になるので、入院の方が良いでしょう。
今では、白内障など眼科の手術は、日帰り手術が可能な症例が多くなりましたが、日帰りが適さない症例や状況の患者さんもいるので、医師と十分に話し合って、日帰りか入院か決めるようにしましょう。